ブォンジョルノ、パパ。

2013年/イタリア/カラー/109分
原題:Buongiorno papà
監督:エドアルド・レオ
出演:ラウル・ボーヴァ、マルコ・ジャッリーニ、エドアルド・レオ他


 40過ぎのアンドレアは映画業界で働くやり手の色男。ポルシェを乗り回し、ローマ市内のオシャレなマンションで悠々自適に暮らしている。彼とハウスシェアしているパオロは、仕事も女性関係もうまくいっていないが、大道芸で一旗揚げるロマンチックな夢を胸に抱いている。そんな彼らのもとに、アンドレアの娘だと名乗る17歳の少女レイラとその祖父エンツォが現れ、生活を一変させてしまう……。

 イケメン俳優ラウル・ボーヴァの隣で、今後のはまり役となる三枚目キャラを確立したレオ。監督として長編2作目となる本作で、銀のリボン賞最優秀コメディーにノミネートされ、俳優だけに止まらない才能を世に知らしめた。シナリオは『わしら中年犯罪団』で監督を務めるコメディアンにして盟友のマッシミリアーノ・ブルーノ。

俺たちとジュリア

2015年/イタリア/カラー/115分
原題:Noi e la Giulia
監督:エドアルド・レオ
出演:ルカ・アルジェンテーロ、ステファノ・フレージ、エドアルド・レオ他


 人生に行き詰まりを感じていたディエゴ、ファウスト、クラウディオの3人は、古い農場を共同購入し、アグリツーリズム用ホテルにリノベーションして再起を図る。気性の激しい元武闘派共産党員、タトゥーだらけの妊婦という超個性的な面々を仲間に加え、絶妙のチームワークで準備を進めるが、クラシックカー「ジュリア」に乗ったマフィアの出現で、事態は思わぬ方向に転がっていく……。

主役の3人以外にも、妊婦をアンナ・フォリエッタ、共産党員をクラウディオ・アメンドラ、ヤクザ男をカルロ・ブッチロッソが熱演。今のイタリア映画界で活躍する名優たちに脇を固められ、レオが名実ともにイタリアン・コメディーの代名詞になった感があるのが本作。 監督としての長編3作目にして、念願の銀のリボン賞で最優秀コメディーに選ばれた。

黄金の一味

2019年/イタリア/カラー/110分
原題:Gli uomini d'oro
監督:ヴィンチェンツォ・アルフィエーリ
出演:ファビオ・デ・ルイージ、エドアルド・レオ、ジャンパオロ・モレッリ他


  トリノの郵便局に勤めるメローニは、給与にも仕事内容にも不満を覚えている。年金を繰り上げて受け取り、コスタリカに新天地を見出そうとしていたが、政府の金融政策により、計画はふいに。そこで企てたのが、自分の運転する現金輸送車からの40億リラ(≒200万ユーロ≒2億4600万円 [1ユーロ123円換算] )略奪だった。彼が共謀者に選んだのは堅物の同僚ザーゴ。だが、彼には明かしていない秘密があった……。

 1996年、トリノで起こった強盗事件をもとにした最新のイタリアン・ノワール。ナンパなナポリ男メローニと真面目で無口なトリノ人ザーゴという対比が興味深い。レオは第3の主人公ウルフとして登場。今までにないバイオレンスな役回りで、俳優としての新境地を拓いた。監督は俳優もこなす期待の若手ヴィンチェンツォ・アルフィエーリ。

わしら中年犯罪団

2019年/イタリア/カラー/102分
原題:Non ci resta che il crimine
監督:マッシミリアーノ・ブルーノ
出演:アレッサンドロ・ガスマン、マルコ・ジャッリーニ、ジャンマルコ・トニャッツィ、エドアルド・レオ他


 ローマの中年男モレーノ、セバスティアーノ、ジュゼッペの3人組は、悪名高き伝説の犯罪組織マリアーナ団ゆかりの地をめぐるツアーの下見中に、実際にこのギャング団が活躍していた1982年にタイムスリップしてしまう。おりしもサッカーワールドカップでイタリアが優勝した年。試合結果をこと細かに覚えている3人は、サッカーくじで大儲けしようと試みるが、マリアーナ団のボスに目をつけられてしまい……。

 国民的名優ヴィットリオ・ガスマンの息子アレッサンドロ・ガスマン、イタリア式コメディーの代名詞ウーゴ・トニャッツィの息子ジャンマルコ・トニャッツィ、そして数々の映画で共演してきたマルコ・ジャッリーニ。3人の大先輩を引き立てる形で、非道なボスを演じるのがレオだ。スーパーサブとして笑いをアシストする彼の本領が遺憾なく発揮されたB級テイストのコメディー。